起業しても再就職手当はもらえる!受給条件と申請手順を徹底解説
2026年9月9日

会社を退職して失業保険を受給している期間に、「自ら事業を立ち上げて独立する」という決断をする方は決して少なくありません。起業という選択は、自分の理想とする働き方や収入の限界突破を実現できる魅力的な道である一方、初期費用の負担や「事業が軌道に乗るまでの生活費・運転資金」に対する経済的な不安がつきまといます。そのような独立初期の不安を解消し、事業をスムーズに離陸させるための非常に強力な味方となるのが、雇用保険の制度の一つである「再就職手当」です。
多くの方が再就職手当は会社員として再就職した場合にのみ受け取れるものと誤解していますが、実は個人事業主としての独立や法人設立といった起業のケースであっても、所定の要件をすべて満たせば受給することが十分に可能です。
本記事では、起業で再就職手当を受け取るための詳細な条件や、具体的な金額の計算シミュレーション、ハローワークでの申請手続きの流れについて徹底的に解説いたします。
起業でも再就職手当はもらえるのか
開業・法人設立・フランチャイズ加盟などであっても、条件を満たせば再就職手当を受給することができます。多くの方が「再就職」という言葉のイメージから「企業に雇用されること」だけが対象だと考えがちですが、厚生労働省の規定において再就職手当は「早期に安定した職業に就いたこと」を対象としており、自営・起業もこれに該当します。
| 起業の形態 | 再就職手当の対象可否 | 主な条件・客観的証明のポイント |
|---|---|---|
| 個人事業主(フリーランス含む) | 対象となる | 税務署への開業届の控え、業務委託契約書、事業用口座、Webサイトや名刺などの事業実態を示す資料が必要。 |
| 法人設立(株式会社・合同会社等) | 対象となる | 履歴事項全部証明書(登記簿謄本)、法人設立届出書の控え、役員就任の証明が必要。準備時期の制限に注意。 |
| フランチャイズ加盟 | 対象となる | 本部とのフランチャイズ加盟契約書、開業届などが必要。事業の安定性・継続性を証明しやすく審査に強い。 |
再就職手当の基本概要
再就職手当とは、失業保険(基本手当)の受給資格者が、支給残日数を一定以上残した状態で、早期に職業に就いた、または起業した場合に支給される国からの給付金です。
制度の根本的な目的は、雇用保険の基本手当の受給資格者が早期に安定した職業に就くことを促進することです。失業手当の支給残日数が多い段階で就職するほど、支給率や受給額が高くなる仕組みです。
起業を目指す方にとって、この一時金は以下のような初期費用の負担を大きく軽減してくれる貴重な財源となります。
- パソコンや作業道具、車両などの設備購入費
- 店舗や事務所の契約初期費用
- ホームページ制作費やチラシ・名刺などの販促費
- 事業が軌道に乗るまでの当面の運転資金・生活費
自動的に支給されるわけではなく、ハローワークでの厳格な審査を通過する必要があるため、制度の仕組みと要件を正確に理解しておくことが不可欠です。
個人事業主・フリーランスでも対象になる
起業の第一歩として最も多く選ばれる「個人事業主」や「フリーランス」としての独立であっても、再就職手当の支給対象となります。
- 店舗を構えて飲食店やサロン、清掃業などを始めるケース
- 自宅を拠点にWebエンジニア、デザイナー、ライター、コンサルタントとして活動するケース
- インターネットを活用したネットショップ運営や各種サービス業
最も重要なのは、それが単なる一時的な内職やアルバイトではなく、将来にわたって継続的に収入を得るための本格的な自立した事業であるとハローワークに客観的に認められることです。そのためには、管轄の税務署に対して個人事業の開業届出書を正式に提出していることが大前提の条件となります。
その上で、取引先との契約書や請求書、事業用口座の開設など、事業の実態を客観的に証明できる資料を提示することが求められます。
法人設立の場合の扱い
個人事業主ではなく、最初から株式会社や合同会社といった法人を設立して起業する場合でも、再就職手当の受給対象となります。
法人を設立するということは、個人事業主以上に事業に対する高い本気度と継続の意思があるとみなされるため、事業の継続性という観点ではハローワークに対しても証明がしやすい側面があります。
申請時には、履歴事項全部証明書や税務署への法人設立届出書の控えなどをハローワークに提出します。また、申請者本人が代表取締役や取締役などの役員に就任し、実質的に事業を運営する立場にあることあることが求められます。
ただし、法人設立の場合は「会社設立の準備行為(定款作成や公証役場での認証、資本金払込みなど)をいつ行ったか」が厳しくチェックされます。ハローワークでの受給資格決定前や待期期間中に設立手続きを行ってしまうと、受給資格を失う恐れがあるため、スケジューリングには細心の注意が必要です。
起業で再就職手当を受給するための7つの条件

起業によって再就職手当を受け取るためには、厚生労働省が定める以下の7つの要件を「すべて」満たしている必要があります。1つでも欠けていると支給対象外となってしまうため、必ず事前にチェックしておきましょう。
| 条件の項目 | 具体的な内容 | 確認・対策のポイント |
|---|---|---|
| 1. 待期期間満了後の事業開始 | 受給資格決定日から7日間の待期期間が完全に経過した後に起業していること。 | 開業届の「開業日」や法人設立日、契約日が待期期間後になっているか確認。 |
| 2. 支給残日数が3分の1以上 | 基本手当の支給残日数が、所定給付日数の3分の1以上残っていること。 | 雇用保険受給資格者証で残日数を算出し、タイミングを逃さず申請する。 |
| 3. 1年を超える事業継続の見込み | 事業を1年を超えて安定的・継続的に運営できる客観的な見通しがあること。 | 契約書、加盟契約書、事業計画書など継続性を証明する資料を用意する。 |
| 4. 過去3年以内の受給歴なし | 過去3年以内に再就職手当や常用就職支度手当を受給していないこと。 | 過去の離職・再就職履歴を振り返り、不安ならハローワークで確認。 |
| 5. 事前からの事業予定がない | 受給資格決定(求職申し込み)前から起業することが確定していないこと。 | 退職前から準備を進めていたと誤解されないよう、事実関係を正確に伝える。 |
| 6. 雇用保険の加入要件(雇入れ時) | 従業員を雇い入れて事業を行う場合、その従業員を雇用保険に加入させること。 | 自分1人で起業する場合は関係ないが、人を雇う場合は労働保険手続きが必要。 |
| 7. ハローワークへの申告 | 所定の認定日に来所し、求職活動や事業開始の申告を適正に行っていること。 | 認定日を守り、起業準備の経過や開業の事実を隠さず正しく申告する。 |
1. 待期期間満了後に事業を開始していること
再就職手当を受給するには、ハローワークで受給資格決定を受けたあとの「7日間の待期期間」を完全に満了してから起業する必要があります。なお、退職理由(給付制限の有無)によって起業できるタイミングが大きく異なるため、自身の区分を必ず確認してください。
・給付制限がない方(会社都合退職など)
受給資格決定日から「7日間の待期期間」が経過したあと(8日目以降)であれば、いつでも開業手続き・事業開始が可能です。待期期間中の開業届提出や事業準備(契約締結など)は一切禁止されています。
OK例:受給資格決定から8日目以降(待期期間7日間が完全終了した後)に開業届を提出
NG例:受給資格決定の翌日(待期期間中)に税務署へ開業届を提出
・給付制限が「ある」方(自己都合退職など)
給付制限がある場合、最初の1ヶ月間はハローワーク等の「紹介」による就職でなければ手当の対象になりません。そのため、待期期間(7日間)だけでなく「給付制限の最初の1ヶ月間」が経過するまで起業手続きを行ってはいけません。
NG例:待期期間(7日間)が終わった直後の、給付制限1ヶ月目に開業届を提出1ヶ月目に開業届を提出した
OK例:待期期間(7日間)+ 給付制限1ヶ月目が【完全に終わった後(給付制限2ヶ月目以降)】に開業届を提出
2. 失業保険の基本手当の支給残日数が3分の1以上あること
就職日の前日までの失業認定を受けた上で、基本手当の支給残日数が所定給付日数の「3分の1以上」残っていることが必須条件です。
たとえば、雇用保険の加入期間や年齢によって決まる所定給付日数が「90日」の方であれば、最低でも「30日分」以上の支給残日数を残した状態で起業する必要があります。
| 所定給付日数 | 必要な支給残日数(3分の1以上) | より高い給付率(70%)になる残日数(2/3以上) |
|---|---|---|
| 90日 | 30日以上 | 60日以上 |
| 120日 | 40日以上 | 80日以上 |
| 150日 | 50日以上 | 100日以上 |
起業準備に時間をかけすぎてしまい、ハローワークで受給手続きを進めながら日数が経過し、支給残日数が29日(90日定員の場合)になってから開業届を出すと、他の要件をすべて満たしていても支給額は「0円」になってしまいます。計画的なスケジュール管理が不可欠です。
3. 1年を超えて事業を継続できる見込みがあること
申請する事業が、単に開業するだけでなく、「1年を超えて安定的・継続的に運営できる見通しがあるか」が審査されます。
【継続性を証明しやすい資料の例】
- 取引先との間で交わされた1年以上の「業務委託契約書」や「継続的取引の基本契約書」
- 店舗・事務所の「建物賃貸借契約書」(1年以上の契約期間が記載されているもの)
- フランチャイズ本部との「フランチャイズ加盟契約書」
- 資金計画や集客計画を明記した「事業計画書」
個人で完全にゼロから起業する場合、実績がない状態で「1年以上続く見込み」を証明するのはハードルが高くなる傾向があります。しかし、フランチャイズ加盟による起業であれば、本部の認知度やパッケージ化されたビジネスモデル、契約書が存在するため、継続性の証明が非常にスムーズに進むという大きなメリットがあります。
4. 過去3年以内に再就職手当などを受給していないこと
過去に会社を辞めて再就職や起業をした際に、今回の事業開始日から遡って過去3年以内に「再就職手当」または「常用就職支度手当」を受給した履歴がある場合は、今回の起業で再就職手当を受け取ることはできません。
これは、短期間で就職・起業と離職・廃業を繰り返し、手当を不正・不当に繰り返し取得することを防ぐための制限ルールです。
過去に前職や前々職を辞めた際、ハローワークからまとまった給付金を受け取った記憶がある方は、その受給日が「3年以内」に該当しないか、受給資格者証やハローワークの窓口で事前に確認しておきましょう。
5. 受給資格決定前から事業を予定していないこと
会社を退職する前からすでに起業することを確約しており、失業保険をもらいながら起業の準備を進めようとする行為は、制度の本来の趣旨に反するとみなされます。起業を検討し始めるタイミングは、あくまでハローワークで求職の申し込みを行い、受職活動を続ける中で、自己のスキルを最大限に活かす最善の道として、あるいは、なかなか希望に合う就職先が見つからないため、結果的に起業という選択肢にたどり着いたという自然な流れであることが求められます。
- 受給対象外となる例: 退職前にすでに法人登記を完了していた、または退職前にフランチャイズ加盟契約を締結し開業日が決まっていた
- 受給対象となる例: 退職後、ハローワークで求職申し込みを行い、求職活動を進める中で自営・起業の選択肢を具体化させ、待期期間終了後に正式に準備・開業した
退職前から起業の構想を持つこと自体は問題ありませんが、「受給資格決定前にすでに事業を開始していた(または開始が確定していた)」とみなされないよう、契約日や開業日の日付管理に十分留意しましょう。
6. 雇用保険の加入要件を満たすこと(雇入れを行う場合)
起業して再就職手当を受給する場合、申請者自身は事業主となるため雇用保険の被保険者にはなりませんが、事業の形態によっては雇用保険に関する要件を満たす必要があります。
ただし、起業と同時に従業員(スタッフ)を雇い入れて事業を始める場合は、労働保険の成立手続きを行い、雇用保険の適用事業所としての届け出を完了させることが求められます。
自分1人で開業する個人事業主や、役員のみでスタートする法人の場合は、この要件を意識する必要はありません。ただし、1人起業の場合は「他社からの請負・委託実態が単なる労働者派遣や偽装請負になっていないか(真に独立した事業者か)」がチェックされます。
7. ハローワークへの来所と申告を行っていること
失業保険の受給手続きをしてから起業に至るまでの間、四週間に一度指定された失業認定日にハローワークへ来所し、求職活動の状況を報告する必要があります。起業を決意し、準備を進めている期間中であっても、この失業認定日には必ずハローワークへ赴き、現在の状況を正確に申告しなければなりません。起業の準備活動は、ハローワークが認める求職活動実績の一つとしてカウントされる場合があります。
起業に向けた準備活動(創業セミナーへの参加、融資の相談、店舗の視察、FC本部の説明会参加など)は、適切な「求職活動実績」として認められるケースがほとんどです。
失業認定申告書にこれらの起業準備活動を正しく記載し、開業届を提出し事業を開始した際には、「就職(事業開始)の申告」を行います。申告を怠ったり、開業日を偽って失業手当を不正に受け取ろうとすると、厳しい罰則が科されるため、疑問点があればその都度相談しながら、定められたルールに従って誠実に手続きを進めていくことが、再就職手当を確実に受給するための大前提となります。
起業時にもらえる再就職手当の計算方法

「実際に起業した場合、再就職手当はいくらもらえるのか?」は最も気になるポイントです。
再就職手当の支給額は、失業保険の「基本手当日額 × 支給残日数 × 給付率(60%または70%)」です。
| 基本手当の支給残日数 | 適用される給付率 | 計算式 |
|---|---|---|
| 所定給付日数の 2/3 以上残っている | 70% | 基本手当日額 × 支給残日数 × 70% |
| 所定給付日数の 1/3以上2/3未満 | 60% | 基本手当日額 × 支給残日数 × 60% |
| 所定給付日数の 1/3 未満 | 0%(対象外) | 支給なし |
支給残日数による給付率の違い(70% ・ 60%)
上記の表の通り、起業するタイミング(残日数)によって、給付率が70%または、60%に決まります。
このように、起業のタイミングが数日遅れるだけで、受け取れる金額が数十万円単位で変わってしまったり、最悪の場合はゼロになってしまったりする可能性があります。したがって、起業に向けたスケジュールは、この給付率の境界線を常に意識しながら、可能な限り三分の二以上の残日数を確保できるように戦略的に立てることが非常に重要です
具体的な計算シミュレーション
具体的な数字を当てはめて、支給額がどれくらい変わるのかシミュレーションしてみましょう。
【シミュレーションの前提条件】
- 離職時の年齢:35歳
- 所定給付日数:90日
- 基本手当日額:5,000円
| 比較項目 | パターンA(早期に起業した場合) | パターンB(準備に時間がかかった場合) |
|---|---|---|
| 起業時の支給残日数 | 80日(3分の2以上) | 40日(3分の1以上〜2/3未満) |
| 適用される給付率 | 70% | 60% |
| 計算式 | 5,000円 × 80日 × 70% | 5,000円 × 40日 × 60% |
| 実際の支給額 | 280,000円 | 120,000円 |
比較結果
同じ人であっても、起業のタイミングが1ヶ月ほど遅れて支給残日数が減ってしまうだけで、手元に入る金額に16万円(28万円−12万円)もの差が生じます。
起業を決意したら、ハローワークの手続きルールを守りつつ、できるだけ支給残日数を多く残した状態で開業日を迎えることが、資金面で圧倒的に有利になります。
参照元データ:https://www.hellowork.mhlw.go.jp/doc/saishuushokuteate.pdf
再就職手当を申請する手順と必要書類
起業に伴う再就職手当の申請は、以下の4つのステップで進めていきます。手続きには提出期限(事業開始日から1ヶ月以内)があるため、全体の流れを頭に入れて手際よく進めましょう。
| 手順のステップ | 行うべき具体的な行動 | 主な必要書類・持参物 |
|---|---|---|
| 手順1:起業報告・開業 | 待期期間満了後に税務署へ開業届を提出し、ハローワークへ事業開始を報告する。 | 開業届の控え(税務署印あり)、受給資格者証 |
| 手順2:申請書の準備 | ハローワーク窓口で「就職申告」を行い、申請書を受け取って記入する。 | 再就職手当支給申請書、認印(または事業印) |
| 手順3:書類提出 | 事業継続性や実態を証明する書類を揃え、事業開始後1ヶ月以内に提出する。 | 申請書、開業届控え、各種契約書(業務委託・FC契約など) |
| 手順4:審査・振込 | ハローワークの審査を経て、決定通知書を受け取り口座振込を確認する。 | 就業促進手当支給決定通知書(自宅へ郵送) |
手順1:ハローワークへ起業の報告と開業届の提出
7日間の待期期間が完全に終了したことを確認したら個人事業主として独立する場合は、管轄の税務署へ赴き「個人事業の開業・廃業等届出書」、いわゆる開業届を提出します。法人設立の場合は法務局で登記を行います。
※この際、税務署の受付印が押された「開業届の控え」(電子申告の場合は受信通知画面の印刷)が絶対に必要になりますので、大切に保管してください。電子申告を利用して開業届を提出した場合は、受付完了のメッセージ画面や受信通知を印刷したものが控えの代わりとなります。
法人を設立する場合は、法務局での登記手続きを完了させ、履歴事項全部証明書を取得します。
手続きを終え、正式に事業を開始した日を迎えたら、速やかにハローワークへ連絡し、就職した旨を報告します。報告の期限は原則として事業を開始した日から1ヶ月以内と定められていますが、手続きをスムーズに進めるためにも、開業後なるべく早い段階でハローワークの窓口へ向かいましょう。
手順2:再就職手当支給申請書の受け取りと記入
ハローワークで事業開始の申告を行うと、担当者から「再就職手当支給申請書」が交付されます。
通常、企業に再就職する場合は「就職先の企業(事業主)」に雇用証明の記入・押印を依頼しますが、起業の場合は自分自身が事業主となるため、事業主記載欄も自分自身で記入・押印します。
手順3:必要書類を揃えてハローワークへ提出
申請書と合わせて、事業の実態および1年以上の継続性を証明するための書類を提出します。
提出期限は、原則として「事業を開始した日の翌日から起算して1ヶ月以内」です。期限を過ぎると受け付けてもらえない場合があるため、スピード感を持って集めましょう。
【主な提出書類・添付資料リスト】
- 再就職手当支給申請書(必要事項を記入・捺印したもの)
- 雇用保険受給資格者証
- 個人事業の開業届の控え(税務署の受付印があるもの)または履歴事項全部証明書(法人の場合)
- 事業の継続性・実態を証明する書類(以下のいずれか、または複数)
- 取引先との業務委託契約書・継続取引契約書
- フランチャイズ加盟契約書(FC起業の場合)
- 事務所・店舗の建物賃貸借契約書
- 事業用口座の通帳コピー
- 事業のパンフレット、チラシ、開設したWebサイトの印刷物
- 資金計画・売上予測をまとめた事業計画書
手順4:審査と支給決定通知書の受け取り
すべての書類を提出すると、ハローワーク内で厳格な審査が行われます。
審査期間は通常「約1ヶ月〜1ヶ月半」程度かかります。
無事に審査が完了し支給が決定すると、自宅宛てに「就業促進手当支給決定通知書」が届きます。通知書に記載された支給金額が、指定した銀行口座へ振込送金されます。
起業で再就職手当を受給する際の注意点

審査には時間がかかることを理解する(資金繰りの注意)
再就職手当は、申請書類を提出すればすぐに口座へお金が振り込まれるような性質のものではありません。提出から実際の入金までに1ヶ月半〜2ヶ月近くかかります。ハローワークでは、提出された書類をもとに、事業の継続性や実態について非常に慎重な審査を行います。特に起業のケースでは、会社に再就職した場合と比べて事業の実態が把握しにくいため、審査により多くの時間が割かれる傾向にあります。
事務所の敷金や礼金の支払い、初期の仕入れ費用、パソコンなどの機材購入費などを、再就職手当の入金を当てにして計画してしまうと、資金繰りがショートして事業が立ち行かなくなる危険性が極めて高くなります。再就職手当はあくまで事業が軌道に乗り始めた頃に入ってくる後からの支援金として位置づけ、起業当初の当面の運転資金は、自己資金や金融機関からの融資などで別途しっかりと確保しておくという堅実な資金計画を立てることが不可欠です。
事業が失敗した場合の返還義務について
再就職手当は、事業を一年を超えて継続する見込みがあることを前提として支給されるものです。しかし、ビジネスの世界に絶対の保証はなく、どれだけ綿密な計画を立てて努力をしたとしても、残念ながら事業が軌道に乗らず、一年未満で廃業を余儀なくされてしまうケースも現実には存在します。ここで多くの方が不安に感じるのが、もし一年未満で廃業してしまったら受け取った再就職手当を全額返還しなければならないのかという疑問ですが、原則として、受け取った再就職手当を返還する必要はありません。
返還義務がない理由:不正受給ではないため
事業を継続する意思を持って真摯に経営努力をしたものの、やむを得ず事業失敗に至った場合、その後の早期退職や廃業は受給資格に影響しません。
注意しなければならないケース:不正受給と判断された場合
最初から事業を継続する意思がなく、手当を目的として形式的に開業し、受給直後にすぐ廃業し、不正受給とみなされた場合は全額(または一部)の返還およびペナルティが課されます。
手当の全額返還 + 受給額の2倍にあたるペナルティ(実質3倍返還)が科されます。
なぜフランチャイズ起業は再就職手当の申請に有利なのか?
1. 初心者でも挑戦しやすくリスクが少ない
- 完成されたビジネスノウハウ:すでに成功実績のある仕組みで事業を始められるため、個人起業に比べて失敗するリスクを大幅に軽減できます。
- 未経験者への手厚いサポート:知識や経験がなくても挑戦できるため、「退職後に大きなリスクは背負いたくない」「知識・経験はないがチャレンジしたい」という方に最適です。
2. 再就職手当の審査に圧倒的に有利
- 「1年以上の事業継続性」を証明しやすい:ハローワークの審査では事業が継続できるかが厳しくチェックされます。FC加盟であれば「加盟契約書」や案件紹介の仕組みなどを提示できるため、審査の説得力が非常に高まります。
3. 初期費用を相殺し、実質自己負担ほぼゼロでスタート可能
- 低資金モデルとの相性が抜群:「無店舗型清掃フランチャイズ」などの店舗不要・小資本モデルを選べば初期費用を非常に安く抑えられます。受給した再就職手当(数十万円〜)を初期投資に充てることで、実質的な自己負担をほぼゼロにして独立できます。
4. 初月から売上を確保しやすく安定する
- 集客・営業の不安を解消:個人起業で最大の課題となる「集客や営業」を本部のサポートや案件紹介でカバーできるため、起業初年度から安定した収入を得やすく、廃業リスクを低く抑えられます。
フランチャイズ(FC)は、すでに完成されたビジネスモデルと本部の手厚いサポートを活用できるため、未経験からでもリスクを抑えて挑戦できる起業スタイルです。特に退職後に「再就職手当」を活用して独立を目指す方にとって、FC加盟には以下の大きなメリットがあります。
再就職手当と起業に関するまとめ
この記事の要点をまとめます。
・起業(個人事業主・法人設立)でも特定の条件を満たせば再就職手当を受給できる
・待期期間満了後の開業や支給残日数が3分の1以上残っていることが必須条件である
・支給額は残日数によって異なり、早期に起業するほど給付率が高くなる
・申請には開業届の控えや事業継続を証明する書類が必要である
・開業届の提出タイミングを誤ると受給資格を失うため注意が必要である
・ 初期費用を低く抑えられるフランチャイズを選べば、再就職手当で初期投資を吸収し、安全に独立できる。
再就職手当の制度を正しく理解して有効に活用し、事業の安定したスタートに繋げてください。
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