フランチャイズは完成されたビジネスモデルを利用することから、失敗しにくい仕組みになっています。
しかし、誰でも簡単に成功させられるビジネスではありません。
この記事では、フランチャイズが失敗する6つの原因について詳しく解説します。
フランチャイズで失敗した人の末路と成功させるためのポイントも併せてご紹介しているので、フランチャイズ加盟を検討されている方はぜひ最後までご覧ください。
フランチャイズは失敗しやすい?
フランチャイズは完成されたビジネスモデルを利用するため、失敗しやすい仕組みではありません。フランチャイズの成功率は70%と言われることも多く、個人で起業するよりも失敗する可能性は低いです。
ただし、誰でも簡単に成功させられるわけではありません。
フランチャイズチェーン統計調査によると、フランチャイズの店舗数は2022年時点で24万9,316店舗です。過去10年で店舗数が最も多かった2018年と比較すると、約1万5,000店舗も減少しています。
つまり、個人で起業するよりも失敗しにくい仕組みのビジネスですが、事業を継続することは難しいと推測できます。
フランチャイズ加盟を検討されている方は「なぜ、廃業するのか」「失敗する原因は何なのか」ということを理解することが大切です。
引用元:日本フランチャイズチェーン協会|統計データ
フランチャイズが失敗する6つの原因

フランチャイズで失敗しないためには、失敗する原因を知っておくことが大切です。
フランチャイズが失敗する原因を知っておくことで事前に防ぐことができます。
ここでは、フランチャイズが失敗する6つの原因について詳しくご紹介します。
①本部のアドバイスを聞かない
フランチャイズが失敗する原因として「本部のアドバイスを聞かない」ということが挙げられます。
加盟した本部からは経営方法・事業運営・人材育成など、さまざまなアドバイスを受けられるのですが、自分の考えだけで事業を行い失敗してしまう方が多いです。
フランチャイズを展開している本部からのアドバイスはかなり有益なもので、取り入れることで失敗を防ぐことができます。
自分で考えて試行錯誤することも大切ですが、本部からのアドバイスを取り入れなければ、フランチャイズ加盟した意味がありません。
②本部のサポート体制が整っていない
フランチャイズ本部のサポート体制が整っていないことが原因で失敗することがあります。
フランチャイズは本部からのサポートを受けられることで成功しやすくなっているため、サポート体制が整っていなければ失敗する可能性が高くなります。
特に、開業後のサポート体制が整っていない場合は、失敗しやすいです。事業運営に関するサポートや最新情報の共有、集客サポートなどがなければ、全てを自分で行う必要があり、個人で起業した場合とそれほど変わりません。
サポート体制は本部によって異なるので、事前にしっかりとリサーチすることが大切です。
③資金不足
資金不足はフランチャイズが失敗する原因の1つです。
資金不足で失敗する典型的なケースとしては「開業資金が予定よりもかかった」「ランニングコストの見積もりが甘かった」などが挙げられます。
資金が不足すると仕入れや人件費、光熱費など事業を継続するために必要なお金を支払えなくなります。
もし、資金不足の状況を数カ月改善できなければ、廃業してしまうことも考えられます。
金融機関から融資を受けることで廃業は防げるかもしれませんが、資金不足は最終的に失敗につながる可能性が高いです。
④需要が低い
フランチャイズが失敗する原因として、需要が低いことが挙げられます。
例えば、流行していた業種でフランチャイズを始めた場合でも、数年後には流行が去って需要が低くなっていることが考えられます。
流行が去ってしまうこと以外にも、競合店が近隣に出店することで需要が低くなることがあります。
フランチャイズ展開の多いコンビニなどは、近隣に出店されるケースが多いです。
流行や競合などの外部環境の変化で需要が低くなることは推測することが難しく、フランチャイズの失敗につながりやすくなっています。
⑤不利な内容での契約
フランチャイズの契約が不利な内容になっていることで失敗することがあります。
フランチャイズ加盟するときは本部と契約を結びますが、しっかりと内容を確認せずに契約してしまう方が多いです。
加盟者が不利になっていない内容であれば問題ないのですが、サポートが弱い・契約解除時のペナルティがひどい、など不利な内容で契約してしまうと高確率で失敗します。
評判の良いフランチャイズ本部からも不利な契約内容を提示されるケースがあるので、最後まで目を通すように注意してください。
⑥無計画に店舗を増やす
フランチャイズが失敗する最後の原因が、無計画に店舗を増やすことです。
店舗を増やすことで、大きな収益に期待することができます。
しかし、数店舗で成功を収めることは難しく、全ての店舗で安定した収益を上げることは簡単ではありません。特に「1店舗目が成功したから、2店舗目も成功する」という無計画な店舗拡大は失敗につながりやすいです。
また、ブランド力のあるフランチャイズでも、立地や競合、需要などで店舗拡大は失敗することがあります。
店舗拡大を目指すのは良いことですが、店舗を増やすごとに失敗する可能性が高まることは理解しておくべきです。
フランチャイズに失敗したらどうなる?

フランチャイズ加盟を検討されている方は、失敗する原因だけではなく、失敗した後のことも知っておくことが大切です。
フランチャイズに失敗した場合は、以下のような末路が考えられます。
・返済に追われる
・同じ事業は始められない
・年齢によっては再就職が難しい
フランチャイズに失敗した後のことについて、それぞれ詳しくご紹介します。
・返済に追われる
フランチャイズに失敗すると返済に追われることが多いです。
基本的にフランチャイズ加盟するときは、一定期間の契約期間が設けられています。
継続的な赤字や廃業によって途中解約する場合、本部に違約金を支払わなければいけません。その違約金がかなり高額に定められていることがあり、契約解除した後も返済に追われるケースが考えられます。
また、契約満期まで続けても、赤字が続いていれば開業費を回収できず、返済に追われることになります。
フランチャイズに失敗すると、返済に追われるリスクがあることは理解しておくべきです。
・同じ事業は始められない
フランチャイズに失敗したら、今までの経験を活かして個人で立ち上げることを検討される方が多いのですが、同じ事業は始められません。
加盟するときの契約には、競業避止義務を定めた条項が規定されていることが多いです。
競業避止義務とは、加盟店がフランチャイズ事業と競合する事業を行ってはいけない義務のことです。
例えば、あるラーメン店のフランチャイズに加盟していた場合、自らラーメン店を立ち上げることはできません。
つまり、失敗した経験を活かして、生計を立て直すことができない、ということです。
競業避止義務に関する内容は本部によって異なるので、失敗した後のことも考えて確認するようにしてください。
・年齢によっては再就職が難しい
フランチャイズで失敗した年齢によっては、再就職することが難しいです。
一度、フランチャイズ加盟という独立を選んだ場合、会社からは組織人として扱いづらいと判断されて、なかなか再就職先が見つからないことがあります。
特に、40歳を超えている場合は年齢的なマイナス要素も加わり、より再就職することが難しいです。
ただし、フランチャイズ経験者を求めるような会社も存在します。独立に理解のあるベンチャー企業や、経営経験のある人材を求めている会社は就職しやすいです。
失敗することばかりを考える必要はありませんが、失敗後の生計の立て方は事前に考えておくことをおすすめします。
フランチャイズの失敗を防ぐためのポイント

フランチャイズは完成されたビジネスモデルを利用できるため、しっかりとポイントを抑えることで失敗を防ぐことができます。
最後に、フランチャイズの失敗を防ぐためのポイントをいくつかご紹介します。
フランチャイズで成功するためにも、以下のポイントを参考にしてみてください。
・フランチャイズについて理解を深める
フランチャイズ加盟するときは、フランチャイズという仕組みのビジネスについて理解を深めることが大切です。
完成されたビジネスモデルを利用できることや、本部からのサポートを受けられることから、フランチャイズについて理解していない方が多くなっています。
それでは失敗する可能性が高くなるので、どんな仕組みのビジネスなのか、ということはしっかりと理解してください。
また、フランチャイズについて理解を深めることで「自分に合った独立方法なのか」ということを判断できます。
フランチャイズは経営に関する自由度が低かったり、月々ロイヤリティを支払うなどの特徴があるため、その点も踏まえて加盟を検討してください。
フランチャイズについてはこちらの記事を参考にしてみてください。
「フランチャイズ(FC)の意味を解説!特徴や直営店との違いとは」
https://www.coverall.jp/column/2023/06/column_independence-from-inexperience-2-2-2/
・本部についてリサーチする
フランチャイズの失敗を防ぐには、本部についてリサーチすることが大切です。
本部によってサポート体制や提示される契約内容などが異なるため、慎重に本部を選ぶ必要があります。
本部についてリサーチするときは、まず加盟店の状況を確認してみてください。すでに加盟している店舗の業績が良かったり、契約年数が長ければ、成功を収めやすい本部だと判断できます。
また、本部が開催している説明会などには積極的に参加することが大切です。説明会などでしか聞けない情報もあり、本部のリサーチに時間をかけることが失敗を防ぐことにつながります。
・契約内容をしっかりと確認する
契約内容をしっかりと確認することで、失敗することを防げます。
契約内容は全てを確認することが重要ですが、中でも以下の4つを重点的に確認してください。
・本部に支払う金額
・契約期間や更新料
・中途解約の解約金
・競業避止義務の内容
また、契約内容を確認するときに少しでも疑問・不安なことがあれば、本部の担当者や専門家に確認することをおすすめします。
一度、契約を結んでしまうと契約内容に沿って経営しなければいけないので、納得したうえでサインするようにしてください。